茶鏡のブログ

駆け出しのWebデザイナーが文句ばっかりぐちぐちぐちぐち言う日記です。

グラレコとはなにかを修行中なりに考えてみた

お読みになる前に

押忍、グラフィックレコーディング(以下、グラレコ)修行中の茶鏡っす。

本稿ではグラレコについて茶鏡が考察をしますが、グラレコそのものはまだいろいろな概念をはらんでいるものですので、鵜呑みにせず、あくまで「修行中の茶鏡の予想・意見」としてお取り扱いください。

グラレコについて全然知識のない方はこちらの書籍がおススメです。

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

背景

先日、内閣府が「ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議」が開催され、その報告をしたツイートがこれです。

このツイートの中に取り上げられている、会議のグラレコは、ツイートを見る限りでは、誰が、どんな動機で、どんなプロセスで書いたのかわかりません。件のグラレコ、ひいてはグラレコ自体を批判する声があがり、オヨヨとなりました。

これをきっかけに、どうしてこうなったとか、グラレコとはなんぞやかを、考えてみました。

なぜ、グラフィックレコーダーがよばれたのか

ブーム?

ムーンショット型(略)会議とは関係なく、グラレコについて話していたときに、「いま会議や議論の場でレコーダーを呼ぶのが流行っている」という話になり、まてまてーー!となりました。

たしかにグラレコは、日本では最近急速に広まったものなので、(だからこそいろんな解釈や概念があり)そのように受け止められるのかもしれません。なんのためによばれるのかが抜けていて、オヨヨ…。

「ちょっと呼んでみようか」で呼んでいませんよね。

邪推で考える

件のグラレコを見る感じ、おそらくですが、この会議はなにを決める会議なのかレコーダーは聞いていないと考えられます。そしてこれは私の邪推・妄想ですが、「出た意見漏らさずに網羅してね」というオーダーがあったのかも!?しれません(何べんも申しますが邪推ですよ)。

邪推を踏まえると、余計になんのためレコーダーが呼ばれたのかわからなくなります。なぜなら出た意見ぜんぶまとめるのならば、普通の議事録でよいからです。(普通の議事録でも、全部はいらない)

ではなぜ、わざわざ大きな紙に絵や記号を使って書く必要があるのでしょうか。

会議の流れを可視化する

グラレコには目的があります。会議の場合は「会議の流れを可視化」することです。誰に向けてもあると思いますが、現場にいる人たちが基本です。

中間的な立場に立って会議の進行や合意形成を円滑にさせる役割の「ファシリテーショングラフィック」というのもあります。私はファシグラについては不勉強なので詳細は割愛しますが、関係者に同じ方向を向いてもらう、という点では、グラレコは有効です。

いまどのように会議が進行しているか頭の中でまとめ、流れが可視化(意見そのものではない)され、途中で描いてて不明なところがでたり、ツッコミを受けるでしょう、そこにグラレコを通した現場とのコミュニケーションが生まれます。

そしていちいち文字を追って読まなくてもわかるグラフィックとして成立している。大きな紙に書く理由がここにあるのです。

グラレコは、第三のコミュニケーションのハブだと思う

これはグラレコについて考えて出てきた持論です。

体験談になりますが、私はあるセミナー合宿でセッションをグラレコさせていただきました。できあがったものは、グラフィックとしては、怒られるレベルのものですが、参加者や登壇者の方々から「振り返りになった!」「よくまとまってる」と喜んでいただけました。

グラレコがコミュニケーションを生んでくれたのです。

この「コミュニケーション」が肝だと思っています。 グラレコが必要なシーンも目的も様々ですが、現場とコミュニケーションを取って描いて、意識や状況を共有する。重要なことがなにかを頭の中で編集し、取捨選択する。それをグラフィックに落とし込んで、振り返りなど新たなコミュニケーションが生まれる。グラフィックをみた時のわかりやすさとワクワク感も含めて。

「描いている時のコミュニケーション」
「描いた後のコミュニケーション」

それぞれについてもっと意識的に描くことが重要だと思いました。

雑感

ムーンショット型(略)会議のグラレコは、私なんかよりも全然絵の上手い人がレコーダーをされていました。なので、件のグラレコが批判されることについて余計にショックでした。また他の方の記事を読んでなにが良くなかったのかを学ぶことができました。

自分でコミュニケーションだ!と行き着くのは意外でした。私も深く考えていなかったところで、この辺りは意見が分かれるところかもしれません。描くだけじゃなく、もっと介入したいところ。練習でセミナーをグラレコするのですが質疑応答で介入できますしね。

ツイッターで思索したものをまとめた雑記ですが、読む人によっては暴論かもしれないのでご意見を賜れれば幸いです。