茶鏡のブログ

駆け出しのWebデザイナーが文句ばっかりぐちぐちぐちぐち言う日記です。

富士へ、台風とともに

富士へ行ってまいりました。
ときは台風22号が日本列島に最接近する2017年10月28日。小雨ぱらつく前日の夜に夜行バスに飛び乗りました。

旅の目的は、インタープロトという、KURUMAというワンメイクのレーシングカーのレースです。とはいえ、会社での日々の仕事があまりにも苦痛だったりとかで精神的に限界が訪れ、インタープロトにかこつけて遠くに行きたかっただけです。

私の旅は目的地を1、2箇所しか決めずあとは街歩きして成り行きに任せます。あっちも行って、こっちにも行って、という旅とくらべると、密度は低いかもしれませんが、予定立てまくると途端に苦しくなります。だからどこへ行っても「街歩き」をしていることが多いです。

なので今回の 目的地は、富士スピードウェイ(以下、FSW)、だけ。

朝〜富士スピードウェイ

雨が降ることはわかっていたのでカメラは持たず。スマホで撮影したからか写り悪い…。

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朝、御殿場駅にたどり着くと、ザーザーの雨で、当たり前ですがひとっこひとりおらず。FSWまでの路線バスを調べると全然走っていない。(今回はSGTのようなビッグレースではないのでシャトルバスが走っていない)あとで聞けば御殿場ではだーれもバスに乗らないらしい。よくある夜行バスの旅の始まり、コンビニや朝早くから開いているパン屋さんで時間をつぶす。

パン屋さんに関西弁のお客さんが。この人達は御殿場に何をしに来たのだろう。

駅周辺でぼーっとしていても仕方がないので、タクシーに載ってFSWに向かう。やっぱり公共交通機関なぞ乗ってFSWへ行く人は基本いないらしい。入り口で「この天気だとやるかどうかわからないですがいいですか?」とスタッフの人に訊ねられるもここまで来てしまったら行くしかない。

様々なイベントが中止になり、サポートレースもクラッシュやー赤旗やーで中断になる。それを横目に、私は足で患部を踏むことで血液やリンパの流れを良くするマッサージをやってもらったり、一度やってみたかったオーラソーマを体験したり、ワークショップに参加したりと何をしに来たのかわからん状態に。コース周辺のお散歩もする気にならず、パドック内の一般人が入れるエリアをウロウロしていました。

ご覧の通り何も見えません。

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レクサスLFA!

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PROクラスドライバーのトークショー

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インタープロト・PROクラスは、SUPER GTなどで活躍しているドライバーも多く参戦しており本日の真打ちで、トークショーでドライバーが「この大雨の中どんなレース展開にしたいか」という妄想をみんなで繰り広げたりとかで大笑いした後、レース中止の宣告が。安全のためには正しい選択であるものの、レストランでしばしポカーンとする。しかしポカーンとしていても意味が無いし、雨はひどくなる一方なので、御殿場駅に戻ろうとタクシーを呼ぶ。

昼〜夕方

タクシーのドライバーに「御殿場は車社会なのか」と訊ねたところ、一人一台車を持っているとのこと。この辺は私が住んでいる奈良県もそうですが、ベットタウンであるがゆえ駅まで付けばなんとかなるところが御殿場とは違う。御殿場は電車も一時間に一本しか通ってないしで公共交通機関が当てにならず、車がないと生活できない。また少子高齢化の最先端をいっており、車を運転できないお年寄りが本来バスを使うところ、乗り降りでステップを踏むのが危うく、みんなタクシーを使う……御殿場は暮らしにくい街だと。

で、今の御殿場は、都内の人もみーんな、中国人もツアーを組んでみーんな、観光客はみーんな御殿場アウトレットモールに行く とのこと。

今度はビッグレースの時においでと言われてタクシーを降り、帰りの夜行バスが欠航になるのが心配になったので観光案内所へ。台風の影響で早じまいの準備をしていたところすべりこんで、ホテルの場所を聞く。

まだまだ時間がある(本当はFSWで夕方ぐらいまでダラダラしている予定だった)ので、朝のパン屋さんに置いてある雑誌で見つけた、御殿場駅から少し離れたセレクトショップを覗いてみることに。お茶も飲めるらしいし自分に合わなくてもいいやと。たまたま見つけた店にわざわざ行ってみるというのも好きなパターン。

さらに雨脚が強くなる中、ホテルの場所を確認しつつトボトボとGoogle Mapをたよりに歩く。県道沿いには、車社会の街にありがちな、ロードサイド店がいっぱい並んでおり、奈良県では見かけないローカルチェーン店や、この店だけ時間が止まってるんじゃないのかというような店構えの店が散見して楽しい。

店にたどり着き、お店の方に訊いたところ、やっぱり御殿場ではこういうお店は珍しがられるらしい。いわゆるアメカジといったアメリカンなライフスタイルのお店の中でゆっくりしたい人のためにカフェスペースも設けたのだそう。地元の常連客らしき人が何人か入って来ていたがとても雰囲気がよかったです。雨でグズグズの旅人が混ざっててなんかちょっとはずかしい…。お茶を飲んだり、服を試着させてもらったりしつつ、帰り際におすすめのお店を聞くとハンバーグ屋さんを教えてもらう。

珍しいブランドのデニムなども置いてあって、アメカジ好きさんにはたまらないと思います。
BALENO TOWN CLOTHING STORE

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日が落ちてきたし御殿場駅に戻ろうとして、駅前にお土産屋さんあったっけ……となって、ふらりと立ち寄ったお菓子屋(和菓子と洋菓子が両方置いてある)でお土産を買う。関西から来たんですけど、と切り出しておすすめを聞いてそれに従う。この店も静岡の東部にしかないローカルチェーン店。

教えてもらったハンバーグ屋さんは待ち列ができるほど大人気で、並ぶ時間はないと諦めて、またトボトボと歩き、御殿場駅近くで「ビーフシテュー」と思い切りTypoした電飾看板のある店を見つける。こういう店は当たりハズレが激しいけれどそろそろ晩御飯食べたい(昼はFSWで食べたしらすごはん)と思っていたので入ってみることにしました。

入ったらシェフのおじさんとおばちゃんが出迎えてくれた。例のビーフシチューはええ値段(もちろん関西弁で)だったけれど、お肉が柔らかくてとてもおいしくて、居心地が良いので大当たり。ランチをやっているので、普段は地元の人が来るんですか?と聞いたところ、遠方からの客が多く都内はおろか大阪から食べに来る人もいるらしい。

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ビーフシチューほんまおいしかったです。また食べたい。
れすとらん力亭

コーヒーをごちそうしていただきおばちゃんと談笑。私の旅の目的はFSW、とか、この店は創業39年だとか、話していると、御殿場のアウトレットモールの話になる。アウトレットは遊園地のあとに作られた場所(エキ○ポシティと同じパターン)で、まだ店が100店舗増える計画があり、ホテルや温泉ができるらしい。一応御殿場市だけれども、FSWのある小山町よりらしい。昔はいっぱいいろんな店があったのよ〜とおばちゃん。

調理を終えたシェフがやってきて私がレース好きと聞くと、本当にどこからともなく、昨年のWECのクリアファイルを出してきてくれてプレゼントしてくれた。それもいっぱい。

といいますか、アウトレットモール、もうこれはひとつの街やないか。観光の中心をそこに据えて大丈夫なんだろうか。暮らしにくいとか高齢化の話を聞くと、御殿場の街がやや心配になってしまう。 これがまちづくりとして健全な姿なんだろうかと。そういう施設が作れるだけ、地方の田舎町にしてはマシな方なのかもしれない。

この写真も、撮影したのは早朝だから余計にそう感じるのかもしれないけれど、このしなび具合といい…。

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店を後にし、観光案内所で聞いた銭湯にいってお風呂に入る。大阪に戻ったら即仕事やし。グズグズになった身体を温め洗い流し、コーヒー牛乳をいただく。バスの時間までダラダラと飲めるところを探す。おなかいっぱいなのでちょっとつまむだけでいい、というか風邪ひくしな……とふらりと入った店は、若い大将が切り盛りする比較的新しいお店だった。ハイボールには謎の石が入っていて、これは石ではなく溶岩で、入れると、お酒がまろやかになるとのこと!お酒の質問をすると、イントネーションが違いますねぇと大将が話しかけてくれて、「奈良から来ました!」「ボク修学旅行で行きました!」「うちら東京ですわ!」と少し談笑。常連と思しきお客さんがスタッフとパチンコの話をしていて地方感満載である。

でも若い方が店を出そう!としているのだから御殿場もまだまだ行けるんかもしれん。わからんけど、すこし安心した。
富士溶岩居酒屋 頂

店を出ると、雨はぱったり止んでいました。
鞄を開けると謎の鈴が入っておりました……。多分どっかでパクってきてしまったんやろうな…。

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