茶鏡のブログ

駆け出しのWebデザイナーが文句ばっかりぐちぐちぐちぐち言う日記です。

Less but Better.

某ブラウザベンダーWebデザイナーの求人を読んだ時、パタと思ったのは、
「これからWebデザイナーとしてなにを作っていきたいか、なにを学ぶべきか」

私は今のバイトに入るまで、エディトリアルデザイナー志望だったので、HTMLのコーディングからWebの世界に入りました。業務内の疑問や考えがもやもや、と溜まっていくのですが、さて自分で作ろう、となったときどうしょう!と。そこでなぜか思い出したのが、インダストリアルデザイナーの、ディーター・ラムス氏。どんなデザインをしたかというと、例えば、一切ムダな装飾のない、真四角で真っ白な筐体に、赤いボタン。この赤いボタンを押せばいいのか、と一発でわかるデザインにひとつの手がかりを見出しています。この思い切りのよさがすべてにおいてベストではないですが、ラムスさんの「グッド・デザインの10の原則」は常に覚えときたいなと、メモ帳に書き写していました。

そういえば、むかしちょっとやっていたブログに書いた、2008年にサントリーミュージアムでやっていたディーター・ラムス展を観た時の感想が残っていたので、続き欄で紹介します。決してブログのネタがないからとお茶を濁しているわけでも、この下の恥ずかしい記事をなんとかして埋めたいわけでもありません!

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Helvetica foreverとディーター・ラムス展行きました。

特に関連も無く、個人的に好きなんで行ったのですが、このふたつに共通することは「機能美」。これでもかというほど丁寧に作られているんです。それ相応に使いやすく、そしてクセがない。

Helveticaはわたしの大好きな書体。いろんなところで使われ、文字組次第で印象が変幻自在。groovisionsとか、NARSがわかりやすいかも。「これからの時代、ライバル会社の作ったアレのような サンセリフ書体がくるからウチでも作ろう!」という背景で生まれた(…んですよね?)Helvetivca。開発者のノートに、ディテールを作り込むさまが残されてて、書体はほんとうにちょっとしたことで、変わるんやなと。

ラムス展ではじめて、彼のデザインしたプロダクトを見た感想は、ああ、これ、簡単に使えそうだ、ということ。
あとなにかに似ているなと思ったら、学校の理科室。特に展示が理科室風であったのではなく、ストイックで、使うためだけ、という印象を受けたのです。そこに、使う人の目線がプラスされ、徹底的に整理されている。ラムスさんのいた、ブラウン社のCIは何十年も前に統一が図られて、広告は「機能を真実のままつたえる」ものなんですって。

それでは、「機能美」とはなにか?

とか考えたくなって、ワード出しをしてみたら、「整理」とか「プライオリティ」のほかに出たのが「裸」。裸は「ナチュラル」であり「使う人次第」であり、「無防備」で「本質」を「隠せない」。(このへん、ワードだしででた言葉)

ふつうでおなじみ、無印良品に、ブラウン社のプロダクトに見た、ストイックさを見ないのは、世界観かなあ、オブラートで包まれていて「裸」ではない。

「Less but Betterーよりよいデザインは、より少ないデザインである。」

デザインは、なにデザインにせよ、向こうに使う人がいます。使う人に合わせて、「服を着せたり」するのですが、上の言葉を残したラムスさんも、Helveticaの開発チームも、限りなく「裸」に近づけていってたのかな。