茶鏡のブログ

駆け出しのWebデザイナーが文句ばっかりぐちぐちぐちぐち言う日記です。

ウメサオタダオ展を、わざわざ東京で。

東京で行った場所のひとつ、日本科学未来館で「ウメサオタダオ展」を見てきました。ツイッターのタイムラインでこの記事を見つけたのがきっかけでして、梅棹さんがいかなる人物かを東京にいくまで知らずにいたことが少し恥ずかしいです。梅棹忠夫さんは民俗学の研究者で、吹田にある民族博物館に深く関わった方です。私にとって民族博物館はこちらのほうなので、吹田の注釈は蛇足でもお許しください。

この展示は、ざっくりいうと、梅棹さんの生涯の研究における、情報のインプットからアウトプット、つまり調査地でとったフィールドノートから、論文や本、吹田のみんぱくの活動に至るまでの、考えの過程です。考えといっても、ぐちゃぐちゃしたものではなく、キッチリとカードとファイルに整理し、書くときにすぐ取り出して組み立てていくことができるということなのです。組み立ての方法に「こざね」と呼ばれる小さなカードを使ったものがあります。積み重ねた情報や考えのかけらをこざねに書き留めて、テーマにそって集め、並べて論を組み立てていきます。

こざねを使った参加型の展示に「人類の未来」について考えるというものがあります。梅棹さんが残したこざね(のレプリカ)を3まい並べ、もう一枚、白紙のこざねに自分で書いて、自分なりの「人類の未来」を作ってみんなでシェアするというものです。科学未来館のサイトで見られます。
私もやってみました。(iPhoneで撮りっぱなしなので、重いです。)

それぞれ、上の3枚が梅棹さんのこざね、一番下が私のこざね。
2回やって、どちらも言いたいことは同じようなのになりました。ようするに、「ひとりひとりがしっかりしろ」ということです。「文化」のくだりは、星ヶ丘洋裁学校の園長先生の言葉「文化とは、違いを受け容れるということだ」の言葉を思い出しました。違いを受け容れるのは、思っているほど、簡単なことではありません。その文脈で「宇宙人」を入れたのです。2回分のこざねをまとめて、またここに書きます。(いつまで東京ネタで引っ張るねん…)

「ウメサオタダオ展」、大阪では吹田のみんぱくでしたが、東京での展示を科学未来館という場所でやったっていうのもすごいことです。東京にも民族博物館あるはずで、なぜここで昔の偉い学者を、と思われた人もいるかもしれません。梅棹さんの時代にくらべて、現代はインプットの手段が増え、個人が一日に得る情報量は膨れ上がっています。どこへでもすいすい行けます。その情報、体験をどのように自分のものにして、アウトプットしていくかを、これからもっともっと意識したいと思いました。…あ、そうや、これ「人類の未来」やった。単純な私は、すぐ感化されて梅棹さんの著作を読んでみるところです。